国際シンポジウム「日本の科学技術コミュニケーションのこれから」

北大CoSTEP主催で、昨日、一昨日と、標記のシンポジウムが開催された。1日目は科学技術コミュニケーションに関する「コンテンツ」、2日目が「場の創造」がテーマで、各3名ずつのシンポジストが発表された。

http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/sympo/program.html
http://www.ustream.tv/channel/costep-sympo


海外からは、
ニュージーランドから、Prof. Spencer Davis LLOYD さん(1日目)
"A Framework for Science Communication from a Down Under Perspective"

イギリスから、Prof. Tom WAKEFORD さん(2日目)
"From transmission to co-inquiry: Future trends in science communication from a European perspective" 

のご報告があった。

ニュージーランド、イギリス、日本とそれぞれの国のサイエンス・コミュニケーション事情(その背景、現状、サイエンス・コミュニケーション教育の状況)の違いがわかり、おもしろかった。

Davisさんのお話で印象に残ったのは、サイエンス・コミュニケーションのTeaching Methodとも言えるStory-telling.
これについては、個人的に科学教育の歴史的アプローチとしてのStory-tellingが1990年代にアメリカで行われていたのを勉強したことがあったので、それと関連があるのかと思ったが、違っていた。科学史に興味がある私としてはちょっと残念。

Tomさんのお話は、科学技術への市民参加の 1st order 〜 3st order という内容だった。ナノ・ジュリー(ナノテクノロジーの市民陪審)を実践されているTomさんならではの鋭い問題の切り取り方が、興味深かった。

日本からのゲストは、
NHKアナウンサー、日本ジャーナリスト協会会長の小出五郎氏(1日目)
日本科学技術社会論学会会長の小林傳司氏(2日目)

そのほか、CoSTEP教員の石村源生先生のいつもながらの知性あふれるサイエンス・コミュニケーション・コンテンツ創造思考(1日目)、同三上直之先生のナノトライなど市民参加に関するご研究成果+CoSTEP対話の場創造実習の成果(2日目)等のご発表があり、さすがぁ!と感心。

「日本の科学技術コミュニケーションのこれから」に関するディスカッションも盛り上がった。

日本全国の科学技術コミュニケーションにゆかりのある皆さんや、CoSTEP1期〜5期までの修了生・実習生らが遠方からも駆けつけていて、さながら科学技術コミュニケーション大同窓会という雰囲気で、とてもエキサイティングな二日間だった。

追記
CoSTEPの同期生Kimunariさんが,「ダダモレCoSTEP」と題してCoSTEP国際シンポの中継+Twitterとの連携システムについて言及されている.このような会議システムやScience Communication toolの設計は,CoSTEPが得意とする領域だ.