科学技術ガバナンスを実現する市民のための生命科学教育:1970年代の組換えDNA論争史に学ぶこと

数研出版さんのサイエンスネットのコラムを書かせてもらいました。 ご笑覧いただければ幸いです。http://www.chart.co.jp/subject/rika/scnet/40/sc40-4.pdf

トランス・サイエンス(科学を超えた問題)とは何か?

今日は、私の勤務する真和中学・高等学校は、終業式です。 真和高校2年生の学年通信に記事を書かせていただいたので、ご紹介します。 トランス・サイエンス(科学を超えた問題)とは何か? 北田 薫 現在、福島原発の事故をひとつのきっかけとして、世界の多…

論文を書きました「組換えDNA論争史に学ぶSTS教育」

‎2009年に行った授業実践が論文になりました。教育の論文ですが,科学コミュニケーション,科学技術社会論,科学史の分野と交錯する内容です。構想3ケ月で行った授業で,いろいろと不備があるのですが,今後改良して高校向けのものを作ろうと考えています。h…

「科学教育と科学論」再考

9月11〜12日に広島大学で行われた日本科学教育学会において 自主課題研究のセッションを企画し,無事終了することができました.朝一番のセッションにもかかわらず,多くの方の参加をいただき,議論も盛り上がりました. 参加してくださった皆様,企画を実現…

米本昌平『知政学のすすめ』を読む

生命倫理、生命科学史、地球温暖化問題では定評のある米本昌平氏の『知政学のすすめ』を読む。副題は、〜科学技術文明の読みとき〜 知識基盤社会と言われる現代では、これまで政治から距離をおくことがアカデミズム世界では崇高とされてきたその常識が覆され…

青いカーネーション

先日(3月13日)、恩師のご退職による最終講義を聴くために、熊本大学理学部に行ってきました。 植物細胞遺伝学がご専門の先生と、植物色素がご専門の先生のお二人がご退職ということで、お祝いのお花が届いていました。 それはなんと、サントリー様から…

日本型テクノロジー・アセスメントはいかにあるべきか?

を考えさせられた1日だった。 2日前になってしまったが、3月9日のこと。国際文化会館で、公開シンポジウム「科学技術プロセスのオープン化--テクノロジーアセスメント(TA)の新たな潮流とわが国での制度化」が行われたので、札幌から遠征参加を果たした…

STS教育に使えそうな映画のリスト

科学・技術と社会の関係を取り上げた映画は多い.STS教育を行う上で使える映画のネタについて,今後収集していきたいと思う。▽チャールズ・ダーウィンの伝記映画(科学史MLで知った情報を参考にさせてもらいました) http://www.amazon.co.uk/Creation-DVD…

WWViews ※ 日本会議のシンポを拝聴

と言っても、Ustreamで!http://www.ustream.tv/channel/cscd-channneltwitterで、ちょっとだけ発言もしてみた。 ハッシュタグは #wwvjp なんでちょっとだけかというと、見始めたのが遅かったことと、twitterのパスもUstreamのパスも忘れていて、(拝聴と並…

北海道教育学会第54回研究発表大会

北海道教育学会第54回研究発表大会は、3月21日(日)〜22日(月)に、北海道大学にて行われます。

お台場でサイエンス・カフェのワークショップ

お台場で現在も年1回継続実施されているサイエンス・アゴラだが、その第2回大会の際、サイエンス・カフェのワークショップを企画したのは、2007年11月のことだった。この企画の発端は、CoSTEP2期SNS上で、「アゴラでなんかやりたい!」「サイエン…

CoSTEPのリニューアルサイト

CoSTEPのリニューアルサイトがオープンした.http://ow.ly/1cEod振興調整費での活動を終えるCoSTEP(北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット)だが,すでに4月からのリニューアルに向けて,実働を開始したようだ.4月からも北海道大学の一組織とし…

CoSTEPな一日(5期修了式)

これまで政府の振興調整費の援助を受け、順調に活動してきた北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット(通称CoSTEP)だが、本日、いよいよ予定の5年間の任務を全うし、次の段階へとステップを踏むことになった。私自身は、CoSTEP1期〜5期…

市民講演会「マイケル・ファラデーの思想」

イギリス王立研究所のディレクターをされているProf. Sir John M. Thomasさん(ケンブリッジ大名誉教授)を招いての講演会が、 昨日(2010年2月13日Sat.)北大理学部大講堂で開催された。ファラデー(Michael Faraday, 1791-1867)と言えば、19世紀イギリスの…

第7回化学史研修会@理研・本所(和光市)で!

どういうわけか??? 講師になってしまいました(えーっ!?)。 お恥ずかしき限り〜(>_<)/ これで、研究をがんばらざるを得なくなりました。がんばります!!! ↓↓↓ ■化学史学会Webサイト http://kagakushi.org/■プログラム 9:30 理研ギャラリー(展示…

ガバナンスとは何か?

最近,「ガバナンス」という言葉が世間をにぎわせている.’govenance’の辞書的意味は「統治」「支配」「統御」「管理」などであり※,トップ・ダウン的なイメージである.それが,現代的意味で使われ始めたきっかけの一つは,雑誌Governance: An international…

スティーヴ・フラー氏の本の読書会

昨年末、スティーヴ・フラー氏の本の訳本がたてつづけに3冊出版された。そこで、STSネットワークジャパンで、フラー氏の本の連続読書会が企画される。http://blog.stsnj.org/2010/02/blog-post.html 札幌からだと遠いけど、ぜひ、1回くらいは行ってみたいも…

プレイバックCoSTEP

プレイバックCoSTEPさんのブログで、国際シンポの様子が紹介された。http://hos.sci.hokudai.ac.jp/pbc/日本でのサイエンス・カフェの認知度は高くなったが、コンセンサス会議など市民参加型テクノロジー・アセスメントの手法についての認知度はまだ高くない…

ダダ漏れ??

最近気になる言葉のひとつ。CoSTEP関係の5号館先生も、「ダダ漏れ」を使っておられる。「ダダ漏れ」っていったい何者?5号館先生も書いておられるが、工夫しだいで「ネット中継×α」が、教育技術としても使えそうだ。 教育方法学を学ぶ学生としては、とても興…

ジュニア・サイエンス・カフェを企画

北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)修了生の企画として、札幌ファクトリーでジュニア・サイエンス・カフェを実施したのは、2007年7月31日(火)のことだった。サイエンス・パーク2007においてジュニアサイエンス・カフェを行ってほし…

ナノテクノロジーのサイエンス・カフェ

CoSTEPを3期本科生として受講していた頃、ナノテクノロジーのカフェを企画した。2007年12月15日(土)に行われた第27回サイエンスカフェ札幌、「ナノって何ナノ?〜みんなで語ろう科学技術の未来〜」がそれである。ゲストには、北海道大学電子科学研究所ナノ…

国際シンポジウム「日本の科学技術コミュニケーションのこれから」

北大CoSTEP主催で、昨日、一昨日と、標記のシンポジウムが開催された。1日目は科学技術コミュニケーションに関する「コンテンツ」、2日目が「場の創造」がテーマで、各3名ずつのシンポジストが発表された。http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/sympo/program.h…

センター試験生物、染色体は何本?

センター試験が終わった。昨日の札幌は大雪で、受験生は会場まで行くのに大苦戦していたようだ。多くの大学で1時間遅れた開始となり、その点の対応は良かったと思う。(追記;その後、北海道教育大札幌校などで1時間遅らせても試験に間に合わない受験生が多く…

科学史と理科教育

10年ほど前から、科学史を理科教育に活かすことについて研究をしている。実は今の研究もその延長上にあって、そういう関係から、現在読んでいる本はこんな本。この本の書評は、読み終わってから書くことにしよう。我らの時代のための哲学史―トーマス・クーン…

科学技術コミュニケーション

科学技術コミュニケーションに関する動向については、平成16年の『科学技術白書』を読みはじめて知った。2004年のことだった。そこで、これに関する科研(科学研究費補助金)をとろうと思い立ち、2005年度に「生命科学の史的発展と社会との新しい関係づくり…

科学リテラシー

科学(的)リテラシーの議論が再燃している(例えば、『理科教室』2010年1月号、『科学教育研究』Vol.32(4)2008年)。日本においてこの研究が活発化したのは、AAAS(1989)のScience for All Americans 以降、1990年代以降であるが、それ以前にも前史があった…

STS教育を再考する

日本の場合、STS教育(科学‐技術‐社会の相互作用についての教育)の最大のピークは1990年代であったろう。しかしながら、現在に至るまで、STS教育はうまくいったとは言えない状況のようである。なぜだろう?その原因は複合的なものと考えられるが、いくつか…

斎藤喜博『授業:子どもを変革するもの』を読む

斎藤喜博氏が、群馬県佐波郡島村で校長をしていた11年間の島小学校での授業実践を基に書き上げた著作。子どもと教師が真剣に教材に向き合う格闘の様子とともに、高いレベルの授業がもつ、創造性、芸術性、等々が描かれている。今日、表面的な教育技術の獲得…

科学・技術・社会と教育

北海道で、科学・技術・社会の関係(+歴史)について学びつつ、それを教育に生かしていく方法を研究しています。これまで何度か挑戦したものの3日坊主だったブログに、改めて挑戦してみることにしました。